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社長のコラム

奥山浩司(剛旭)社長コラム

by 宮西ナオ子 Presents


宮西: これからロボットをどのように活用していきたいと思われますか?


奥山: 今回、コロナ禍でサービス業がガタガタになりました。今、コロナが明けたからといって働き手である人は簡単に戻ってきません。それではレストランなどが運営できない。それは困ります。そこで飲食業に納めるロボットシステムやサービス業に益々ロボットシステムが必要だと考えています。大切なのはロボットシステムのスペックを標準化して価格を安くすることで皆さんにお買い求めいただけることだと思っています。

稲葉:弊社としては導入しやすい製造現場での「自動化」をパートナの方々と共に普及させることに取り組みたいと思います。パートナである、SIer、商社、工作機械メーカの方々との連携が重要です。商品の観点からは、直感的な操作ができる機能など、使いやすさを重視した開発により一層取り組みたいと思います。そのような連携・開発を通して、パートナの方々と共に人手不足という社会課題に貢献できれば幸いです。






稲葉: 奥山社長よりレストランやコンビニのバックヤードなどの自動化の話がありましたが、様々な分野・用途において自動化要望が出てきているのは、ひとつの大きな変化ですね。サービスロボットと産業用ロボットにおける領域の境目が用途によってはあいまいになりつつあります。工場の中で主に使用されていた産業ロボットですが、生産活動が行われるのはもはや工場だけではないことを感じます。

奥山: HCIは、難しくてまだ手掛けれていないところこそ、意義があり、楽しさがあると考えています。それがサービス業であり、農業ではないでしょうか。またそれはブルーオーシャンなのかもしれない。

稲葉: 確かに活用分野の可能性が広がってきていますから、開拓されていないブルーオーシャンがあるように思います。自動化と縁が遠いような伝統的な産業、例えば酒造りでも産業用ロボットが採り入れられています。主工程は人が作業を行っていますが、工程によってはロボットを導入しています。工作機械の分野におけるキサゲ作業もそうですが、粗い工程にはロボットを使い、高精度な仕上げ工程は人が作業を行っています。人とロボットが役割を分担して、協働的に仕事をすることも増えてくるのではないでしょうか。




奥山: 昨今では時代の変化が驚くほど速くなっています。特にインターネットが普及し、ビッグデータの活用が容易になり、すごいスピードで変革しています。

稲葉: データ活用により生産活動の自動化にも大きな変化が起きてくると私も思います。そして、量がある生産における自動化の役割も重要ですが、一方で人にしかできないものを世に送り出すことに貢献することも重要な自動化の役割であると、私は思います。先程の酒造りでは、人とロボットの役割分担を行い、その人たちがつくっている価値あるものを世に出すことに貢献しています。その人たちにしかできない作業は尊重し、それ以外の作業を手伝うことに焦点を当てています。
名誉会長は、「ロボット時代の主人公は人間である」という言葉を残しています。主人公は、ロボットではなくあくまでも人。
その言葉の奥には色々な意味があるかと思いますが、自分なりに理解を深めてゆきたいと思います。将来的には、人・ロボット・機械は連携をするような時代に進んでゆくように感じています。

奥山: 素晴らしいお言葉です。ロボットを使うことで、より良いものづくりができ、それに携わっている人にも誇りをもってもらえると思います。必要な人が、ロボットを活用してより良い仕事をしていただきたいですから、そのためにもみなさんが導入できる金額でなければなりませんね。




稲葉:ロボットがそれを支える真のインフラになってゆくことができればと思う次第です。それを実現するためには様々な要素技術が必要で、今日話題に出てきました、協働ロボット、センシング、AI、IoT等もその一つになります。奥山社長が仰るような、モノづくりに携わっている方々が誇りをもってゆけるようなことに微力ながら、貢献できればうれしいですね。



奥山: 御社はもともと工作機械にも産業ロボットにもすごい技術を持っていらっしゃいますが、そこにサイバーの力が加わり、サイバーフィジカルの力で世界に発信されていくのではないでしょうか。今日はお話を聞いて深い感銘を受けました。

稲葉: こちらこそ奥山社長とこのように話をさせていただき、考えるべきことが多くあることを実感しました。今後社会が変化してゆく中において、弊社の求められる役割を常に意識しながら事業に取り組んでゆきたいと思います。

奥山: 名誉会長の代から日本や世界に貢献するという志を受け継がれていらっしゃると思いますが、弊社もロボットを通じて地域に、日本に、世界を救いたいと思っています。そのためにも共に歩ませていただければ幸いです。



コメント
これから訪れる時代にロボットの力は必須といえます。すでにさまざまな技術は進んでいるとはいえ、やるべき課題はまだまだたくさんありそうです。同じ志をもつもの同志が協働してよりよい未来の社会を創造していくためにも、この対談が少しでも貢献できたら幸いです。