新たな「夢」をカタチにする技術創造メーカー 株式会社HCI

社長のコラム

奥山剛旭社長コラム

by 宮西ナオ子 Presents

宮西: 外国人従業員の採用条件はどのようになっているのですか?

奥山: HCIでは外国人と日本人の雇用条件は同じですが、自動車の運転と日本語で仕事ができることが必要なので、私達の基準は自動車の普通免許証の取得と日本語能力試験でN2(※注)の取得が必要になります。この2つを取得できている場合は、日本人の初任給と同じ条件で働くことができます。取得できていない場合は、それぞれ減給される仕組みです。高度外国人で免許証を取得している方は少ないので、その部分は減給されていますが、能力給・職責給などでカバーしている人も多く見受けられます。

松岡: 日本語能力試験にはN1、N2、N3、N4、N5の5つのレベルがありますが、N2レベルとなると、日本でいえばTOEICで850点以上をとっているエンジニアに匹敵します。相当語学力がある上に、エンジニアとしての能力をもっている。このようなレベルの人は、日本ではあまりいないと思うのですが、日本人はそういうレベルの人を外国人に求めているわけです。

(※注)日本語能力試験。日本語を母語としない人の日本語能力を測定し認定する試験。国際交流基金と日本国際教育協会(現日本国際教育支援協会)が1984 年に開始した。開始当初の受験者数は全世界で約7,000人だったが、2011年の受験者数は全世界で約61万人。世界最大規模の日本語の試験。受験目的も実力の測定に加え、就職、昇給・昇格、資格認定への活用など、変化や拡がりが見られる。




奥山: そう考えると、わかりやすい。自分達は相当高いレベルの人材を松岡校長に紹介してもらえているわけですね。

松岡: レベルの高い人材の確保は難しいです。ベトナムの人々は、日本に働きにいくことだけがチャンスだとは思っていません。アメリカからも、ヨーロッパからも、韓国や台湾からも引き合いがきます。日本はそのひとつにすぎません。アメリカやヨーロッパは、日本と同様に言語では同等な資格を要求してきます。一方、韓国や台湾はそのような資格を要求してきません。加えてこれらの国では給料もそれほど悪くない。例えば手取り12万で語学が必要ないのと、手取り16万で資格を得るのが厳しいN2が必要というのであれば、はたしてどちらを選ぶでしょうか。もしベトナムの若者が海外で働きたいと思って語学力を求められるのならば、アメリカかヨーロッパに行くでしょう。語学を求められない場所を選ぶならば韓国か台湾に行こうと考えると思いますよ。

宮西: よっぽど魅力がないと日本に来たいとは思わないということですね。




松岡: そういうわけです。今後、ベトナム人が引く手あまたになればなるほど、N2の存在がネックになる可能性があります。そこでなぜ今、我々がブータンに注目しているかというと、ブータンは国交を開いている国が少ないのです。私たちもブータンに入国するのが難しいわけですが、さまざまな理由があった末に、このたびファースト・スタディがブータンの日本語教育の現場を独占契約する運びとなりました。このように当校もベトナムのみならず多国籍展開で学校を作っていきたいと考えています。こうして優秀だけど国内に職がない海外の若者と、発展する可能性があるのに人材不足で成長できない日本企業をつなげることができたら嬉しいですね。そして日本企業を助け、十分な経験を積んだ海外の若者達が自国に戻った暁には、自国の発展に尽力し、日本の理解者になるという流れになったらありがたいです。



奥山: 素晴らしい志!自分はロボット&AIシステムで地域に、日本に、世界に、貢献しようとしていますが、そのためには最先端の技術を学んだエンジニアの数を増やさなくてはならない。HCIでは泉大津市にロボットセンターを設立しているので、実際に最先端のロボット&AIシステムについて勉強しやすい環境にあり、セミナーなどを開催しロボットの最新技術情報を皆様に提供しています。そのような場をより多くの方に活用してほしいですね。さらに、今、経済産業省や大阪府をはじめとする自治体とも連携しながら、もっと新しい仕組を構築できないかと思案しているところです。

宮西: せっかくのロボットセンターや講演があるのですから、ロボットシステムエンジニアを目指す人やロボットシステムを導入したい人には知ってもらいたいですね。

奥山: これまでは自分達の発信不足や、まだまだニーズが少なかった中で、ロボットシステムインテグレータという職業がほとんど認知されていませんでした。しかし、昨年、FA・ロボットシステムインテグレータ協会ができ、自分がその広報分科会主査を拝命することになり、日々、ロボットSIerという職業観の形成に努めている中で、ロボットに対する期待、そして実績と共に、ロボットSIerは注目され、認知度は向上していると感じています。






宮西: お二人は同い年なんですね。出会いのきっかけについて教えてください。

奥山: 南出泉大津市長より、泉大津市に日本語学校を開設する計画をお聞きし、紹介してもらったのが松岡校長でした。出会ってすぐに意気投合しましたね(笑)

宮西: ヴィジョンを共有しているからですか?

松岡: 僕のヴィジョンは中小企業の方を応援すること。中小企業に喜ばれることが日本のモノづくり社会を維持していくことだと思っています。そこは使命感をもって目指しているところです。

奥山: あらためて松岡校長があえて中小企業をターゲットに高度外国人材を紹介している理由を聞かせてもらいたい。

松岡: 日本経済全体を見たとき、私たちが助けに入らなくてはならないのは、中小企業だと思っているからです。大手企業はすでに自社で海外に対する理解、そのための事前勉強や努力をしています。そこが大手の大手たるゆえんです。




松岡: 残念ながら中小企業の社長からは、「外国人なんだから、もっと安くしろよ」というような暴言を聞くことがあります。幻滅しますね。外国人従業員に対する理解がまだまだ不足しているわけです。とはいえ日本の中小企業が人材不足による倒産をしたら、将来的に日本経済が保てなくなります。そこで中小企業の職人上がりの社長さんに、いかに外国人従業員に対して理解を深めていただき、社員として導入してもらうかが要となります。そこが、モノづくり、すなわち第2次産業を持ちこたえるための急所になるのではないかと思っているわけです。

宮西: 素晴らしいですね。それでは奥山社長のヴィジョンを教えてください。

奥山: 自分はいつもながら世界平和、人類救済をやりとげることこそが使命だと思っており、ロボットやAIでこそ、それができると信じています。よりクリエイティブなシステム・カタチを作っていくことが究極の世界平和、人類救済につながるはず、だからこそ、一緒にプロダクトできる仲間、高度人材が必要。そこには国境の壁は不要で、いろいろな国から創造力を発揮したいという人がより多く集まることを期待しています。そのためにもファースト・スタディさんから優秀で志の高い人をアテンドしてもらいたい。

宮西: 本日は素晴らしいお話をありがとうございました。(最終話終わり)

コメント
今後、人材不足が問題視される中で、外国人従業員の助けを借りることになる中小企業、特にモノづくりの現場においては、経営者と外国人従業員がしっかりタッグを組んで、素晴らしいものを世の中に提供するために、両者の理解と協力が必要なようです。このような努力の中から、素晴らしいロボットやAIが育まれていくのを楽しみにしています。
次回の対談はヴイストン株式会社 代表取締役 大和信夫さんです。お楽しみに。