対談
第59回:(株)HCI代表取締役社長 奥山浩司(剛旭) ×大阪府和泉市辻宏康市長
未来そしてヴィジョン(最終話)
ポストコロナやウイズコロナといった新しい時代に向けて、お二人のヴィジョンとそれを達成するための具体的な計画について語っていただきました。さらに辻市長から見た株式会社HCI、奥山社長から見た和泉市についても聞いてみました。明るい未来を感じさせる対談となりました。
宮西: 市長の描くビジョンを教えてください。
辻: これまで進めてきた「再生」、「躍進」といった改革の流れを止めることなく、現在、和泉市では、「共生のまち和泉」を実現するため、5年間のまちづくりとして「和泉創発プラン(令和2年3月策定)」を策定し、取組を進めています。
私が特に重要視しているのは「共生社会の実現」であり、一人一人の強みを生かす社会を作りたいと思います。弱みを補強するよりも強みを活かしていかないと成果が出ないからです。今後のまちづくりにおいては、行政の強み、団体の強み、個人の強みなどを組み合わせることで、創発的な効果(1+1=2ではなくて、3にも4にもなるような相乗効果)を生み出すことが重要です。そのような仕組みを作るためには、行政が中心になる必要があるので、「和泉創発プラン」を推進する中で実現していきたいです。そして、35年後の100周年には企業も団体も市民も行政も、みんながハッピーになれるような街にしたいですね。
宮西: 奥山社長のビジョンを教えてください。
奥山: 直近でいうと本社を和泉府中駅から徒歩8分の3階建てビルに移転しました。ここに集約することで効率よく、快適に仕事ができる環境を作りました。
新しい社屋に移ったので、しっかりと足元を固めていきたいと思います。その先にはいずれ主要都市に支店を作ります。
ニューノーマルな時代で、人と人とが接触する機会が少なくなっていますが、同時に人と人とのコミュニケーションがより大切だと感じています。
そこでロボットやAIにできることは、それらに任せ、クリエイティブなことや人間らしいコミュニケーションを楽しめるようなトレンドを創っていきたいですね。
同時に地元の和泉市と連携していくのはとても大切なことだと思っています。行動力のある辻市長のおかげで今の和泉市があると実感しています。我々もぜひとも共生させていただきたいと思います。
宮西: 辻市長から見られた株式会社HCIについて教えてください。
辻: ロボットとAIにおけるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の最先端センターだと思っています。これから日本が経済的にもさまざまな面でも世界に向けて発信していくには最も大切なものだし、そのトップランナーが奥山社長だと思います。
奥山: ありがとうございます。ロボットはどのようなところでも必要だと思っています。産業用ロボットは50年前に自動車製造ラインから導入され、今まであらゆる工場で活躍しています。しかし我々が今、注力しているのは、DXであり、スマートファクトリー、スマートなサービス・店舗、スマートな医療です。ロボットやAIを駆使して様々なところでお役にたつことです。すでに飲食店も病院も人手不足で困っていますが、そのような所で我々はお役にたてると思っています。
奥山: 特に医療において、がん検査をするようなロボットシステムや検温するロボットシステムなどを作り、病院の入院患者に食事を出す配膳ロボットと仕分けをするロボットシステムも手掛けています。ロボットが料理を患者さんにあわせ間違いなく配膳します。それはAIで選別しています。
辻: それは便利ですね。
奥山: ロボットを飲食店で使うという意味では、本社2階にできた社食であり、展示場であるカフェを、一般のお客様にも利用していただけるようにしました。今回のCOVID-19で飲食店の多くが閉店し、従業員さんやアルバイトさんが辞めてしまった今、従業員さんやアルバイトさんが戻ってこないで、オーナーが悪戦苦闘しているという事態が相次いでいるようです。
それを解決する手段がロボットの活用で、我々は飲食店でもロボットやAIを駆使し、モデルカフェとして皆様にご覧いただいており、全てのシステムを箱でご提供したいと考えています。
宮西: 奥山社長が辻市長に臨まれることは?
奥山: 私も和泉市民ですからね。この街はとても住みやすく、サービスも潤沢で、すごく住みやすい街だと体感しています。市長が市長になられてからますます活気づいている気がします。それも市長が特出したリーダーシップをとられて行動されているからだと思います。
辻:ありがとうございます。私もよりよい街づくりができるように、市役所での朝礼にも参加し、職員理念、職場指針、行動目標などを唱和しています。そして多くの職員との交流を深めて、さまざまな学びの場を得ています。
それに行政といえども経営から学ぶことがあると思います。目標に対するビジュアライズやアファメーション(自分自身に対する宣言)も大切だと思います。
そして我々が目指しているのは共生社会の実現です。それぞれの強みを持ち寄って社会を維持していきたい。まだまだこれから大変なことも多いと思いますが、奥山社長の扱っていらっしゃるDXで実現できると思っています。
奥山: 今回、新しくなった和泉市役所も広々としていて素晴らしいですね。現在はまだ建設中ですが、市役所のデッキ部分に食堂ができるみたいですね。
例えばそこにロボットを活用していただきたいですね。
辻: おもしろいですね。そのような新しいものを摂り入れ、市民が誇れる和泉市を作りたいですからね。
宮西: このように素晴らしい街の取り組みをされているのですから、他の地域から移住してくる方もいらっしゃるのでは?
辻: 大東建託による「街の幸福度(自治体)ランキングトップ10」の中で和泉市は8位になっていますし、評判はよいようですね。
奥山: 自分も5年前に引っ越してきた一人ですからね(笑)
宮西: 本日は素晴らしい対談をありがとうございました。(最終話終了)
コメント
ニューノーマルの時代に即した新しい市政を目指している辻市長と、新しいテクノロジーの最先端をいく奥山社長の対談は熱く語られ、時間が過ぎていくのを忘れてしまいました。和泉府中の駅の近くにある市役所と新しい社屋ができる株式会社HCI。今後の展開が大いに楽しみです。次回の対談は阪永友仁さんです。これまでアジア・アフリカ・中南米で野球指導に携わってこられた方です。どのようなお話が展開されるのか、どうぞお楽しみに。