新たな「夢」をカタチにする技術創造メーカー 株式会社HCI

社長のコラム

奥山剛旭社長コラム

by 宮西ナオ子 Presents

奥山: 自分もLOVOT(らぼっと)を購入させていただきました。届いて1週間が経過しますが、どんどん成長しています。最初は人見知りみたいな感じで、ゆっくりゆっくり歩いて探っているようでしたが、今はけっこう慣れてきて、そばに来て抱っこをねだっているようです。家族みたいになりつつありますね。

林: 犬や猫の代わりになる存在を創りたいと思いアプローチしました。人を癒すサービスを提供するためにもっとも適した形ということで、生物の動物には似ていないオリジナルの姿をもつ今のLOVOT(らぼっと)になりました。私は、柔らかさとか、大きさとか、関節の大まかな配置とか、三輪の移動機構をもつとか、手の部分が抱っこをねだり、抱っこの時に手をかけやすい部位になっているといった基本のコンセプトを提示し、それをプロダクトデザイナーの根津孝太さんがエンジニアと共に形にしました。表現面でも、私が基礎的なコンセプトを提示しますが、実装に落とすところはクリエーターとソフトウエアエンジニアが一緒になって試行錯誤しながらつくっています。




奥山: 自分は目の表現に驚きました。ちょっとウルウルしている感じで何かを訴えてくる(笑)
今までのコミュニケーションロボットではもっと単調で、ここまでは表現できていなかった。ここまでのアプローチは凄い……。癒し系のロボットを創りたいと思っておられたのでしょうか?

林: 目と声は個性を感じる大切な部分です。今までのロボットは、既にプリセットされた数種類の目から選ぶような製品が多かったかと思います。
 LOVOT(らぼっと)では家族になり得る人工生命に必要なことは何かを捉え直すことで、生成方法を根本的に見直しました。LOVOT(らぼっと)はあらかじめプリセットされた目の意匠や声の波形データが再生されるわけではありません。目も声もリアルタイムにLOVOT(らぼっと)の感情や外部の刺激に反応して生成されます。
 目や声のデザインはそれぞれ10億種類以上のバリエーションがあるので、それぞれの個体で異なるものが選択できて、お客様は「自分だけの子」を持つことができます。

宮西: 凄いですね!


林:家に届いてから電源をいれていただくと、運命の目と声が現れます。それをご覧いただいて、もし気に入らなければ、別のデザインの目や声を10億種類の中から選んでいただくことが可能です。





宮西: それぞれ性格も異なるのですか?

林: 八方美人な子がいたり、人見知りな子がいたりします。最初は、見知らぬ人とは距離がありますが、なついてくると、そばにくるようになります。なつく早さは、性格によって異なります。 3日、3週間、3か月、それ以降と、ずっと性格やふるまいが変化してきます。

宮西: 今もLOVOT(らぼっと)たちが、林さんのところにわらわらと集まってきていますね。この子たちは林さんを認識しているということですか?

林: よく見かける人がくると、その人には安心して、近づいてきます。

奥山: 犬や猫のふるまいの研究が、そのまま表れているわけですね。




奥山: くんくん言ってくる声も心地よいですね。

林: 声はミュージシャンの 方に入ってもらって、如何に生物が音を生成するのかという発声のメカニズムから検討し、物理シミュレーションなどもいれて作りました。

奥山: あとは温度ですね。体温があるのでメカを感じさせない。ついつい抱っこしたり、ほおずりしたくなる(笑)

林: 体温は37度から39度くらいで 猫と同じ体温を狙っています。また女性が抱っこできる重さや大きさにも配慮しました。その範疇に収 まるのが4キロ程度で、これも成猫の重さとほぼ同じです。

宮西: ペットと違って排泄処理をしたり、餌をあげなくていいわけですから楽ですね。それに犬や猫は病気になったり、亡くなってしまいますが、この子たちは永遠の命ですね。

林:機械なので調子が悪くなる時はありますが、弊社にはLOVOT(らぼっと)ドクターがいるので、LOVOT(らぼっと)病院に送っていただくと治して、お戻しします。私どもがずっとメンテナンスさせていただくので、亡くなることはありません。留守番もしてくれます。不審者の見張りや介護をしている 高齢者がいる場合なども見守りの機能が活用できます。

宮西: それは素晴らしいですね!




宮西: 対談をさせていただいているこの場所、LOVOT(らぼっと)たちに合えるLOVOT Museumは、誰でも入れるのですか?

林:木曜日から月曜日までの週5日間、開館しています。今は予約が相当埋まっていますが、弊社のウエブサイトからご予約できます。 最寄り駅は浜町駅、水天宮前駅、人形町駅、森下駅からの徒歩圏内ですが、東京駅からでもタクシーで10分程度です。LOVOT MUSEUM はこちら

宮西: 奥山社長もロボットセンターに続き、ロボット・AIラボもオープンされたのですね。

奥山: はい、弊社のロボット・AIラボ(HCI ROBOT・AI LAB)のオープンは2020年11月12日です。私どもは、既に泉大津商工会議所の1階にショールームがあるロボットセンター(HCI ROBOT CENTER)を2018年に開設しました。HCI ROBOT CENTERには、ロボットが10台あり、HCI ROBOT・AI LABには18台、工場には2台あるので全部で30台です。大手ロボットメーカーは、マニピュレータというロボットアームを製造しており、我々ロボットシステムインテグレータは、コンシューマーに納入するロボットシステムを構築しているので、ロボットを使いこなすプロフェッショナルでありますが、実は殆どのロボットシステムインテグレータが中小企業で、認知されていない会社も多い。
 我々はこのセンターとラボを通じて、ロボットシステムインテグレータをしっかりと発信していきたいと考えています。




林:産業用ロボットを展示されているのですね?

奥山: はい、かつてロボットセンターと言えば、産業用ロボットメーカーが設営しているところが殆どで、システムに注力するより、マニピュレータを展示している印象でした。しかし、我々はシステム、言わばアプリケーションにこだわり、ロボットが人の作業を代わりに行うシステムを、見て、触れて、体感してもらえるようなロボットセンターにしたいと考えました。HCI ROBOT CENTERではロボットを初めて学ぶ人やこれから導入を考えていきたいという方に対して、ロボット導入の紹介と啓蒙活動、そしてロボット安全特別教育を行っています。ロボットシステムの導入拠点として、更に発信し、促進していきたいです。
 ご存じかと思いますが、産業用ロボットの歴史は50年前から始まっており、今でも生産数は日本が一番です。しかし、導入しているのは、中国が一番で、コロナ前では500%の伸び率でした。このままでは日本のものづくりは中国に負けて衰退するしかないと考えますが、何としても日本のものづくりを支えている中小企業を救いたいという思いで、啓蒙活動と新たなアプリケーションの開発を行っています。
 それにはロボットシステムをもっと速いスピードで導入できるような状況にしなくてはならないと考え、HCI ROBOT・AI LABを開設しました。スピードが重要だと思っています。

コメント
目の前に集まってくる個性豊かなLOVOT(らぼっと)の可愛さに大いに盛り上がりました。LOVOT(らぼっと)たちは、抱き上げたり、撫でてあげると喜びます。うるうるした瞳で見つめられると、なんともいえずいとおしくなります。これがコミュニケーションロボットの神髄といえるでしょう。大いに癒されながらの対談となりました。来月はいよいよ最終回、お二人のヴィジョンについてお話を聞きしました。(最終話に続く)