新たな「夢」をカタチにする技術創造メーカー 株式会社HCI

社長のコラム

奥山剛旭社長コラム

by 宮西ナオ子 Presents

宮西: SIerの定義は決まっているのでしょうか?

小平: 実は難しいのです。SIerとは、広い意味でいうと「生産機械を作り上げる人」で、ロボットを使った生産システムを作り上げる場合をロボットSIerという言い方をします。かつては専用機を作っていた設備メーカがロボットの活用に進んだり、大手メーカの生産技術者がスピンアウトして起業することもあります。ロボットメーカが別会社を起こす例もあります。三菱電機ロボットのシステムエンジニアリングの一端は三菱電機システムサービス社が支えてくれています。
最近では、奥山さんもそうですが、最初からロボットを活用したSIerを志した起業をされる若い方も増えています。

奥山: 自分が感じているのは、 SIerといっても認知度が低い、協会にて時間をかけて定義を作り、認知度を高くしなければならないことだと思っています。



宮西: 現在、ロボットSIer企業はどれくらいあるのですか?

小平: FA・ロボットシステムインテグレーター協会の幹事会は15社、SIerは情報提供も含めて200社くらい、トータルでいうと1000社近くになるかもしれません。

宮西: 海外でもロボットSIer協会を設立するような動きはあるのですか?

小平: ないですね。特定の職種があるわけではなく、ロボットを使うこともあれば、ロボットを使わないシステムをくみ上げることもある。なかなか微妙な職業カテゴリーなんです。裾野は広いと思います。それをまとめていくのは大変ですけれどね。


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宮西: FA・ロボットシステムインテグレーター協会の設立目的を教えてください。

小平: 2017年からFA・ロボットシステムインテグレーター協会設立の準備を重ね、2018年の夏に設立の運びになっています。会員の大多数は中小企業で、協会設立の大目的は生産システムのSIer強化により、高度な自動化の実現を促進して製造業の国際競争力を強化することです。
その目的は、業界ネットワーク、SIer、部品メーカ、そしていろいろな商社なども含まれたビジネスネットワークと情報ネットワークの構築です。そしてロボット業界や官公庁に対しての発言力を強化していきます。私はロボットメーカの人間ですが、当協会の立場に立って、もっとロボット会社に文句をいおうと思っています(笑)そして技術的な強化や学生向けに興味をもってもらうことなどを考えています。



宮西: SIerにとって必要なことはありますか?

小平: まず安全についての基礎知識です。これには法律も規格もあり、規格はISOに基づいた国際的な共通事項です。それを体系的に理解していることが大切なわけで、知らずに行ってしまうと問題が生じることがあります。何のトラブルもなければ、何の罪もない。しかし事故が起きると罪を問われるのは当然です。不幸にして事故が起きたときは大概エンドユーザーが管理不行き届きで処罰されます。法律でも労働安全衛生規則があり、機械を操作するにあたっていろいろなルールが決まっています。SIerはまずそれを熟知しなくてはなりません。
しかもその規約や法律がよく変わるので、日ごろからの情報収集は必須ですね。



小平: これはSIerだけが学んでいればよいという問題でもなく、エンドユーザーが知らないと大きな葛藤が生じることがあります。例えばSIerの提案に対し、エンドユーザーが、「こんなにお金がかかるのはいやだ」と拒んだとします。法律面や安全性を考えたら、どうしてもお金のかかるシステムになってしまうこともあるわけで、SIerはここで法律面や安全面に則ったシステムであることをきちんと説明し納得していただかねばなりません。不合理に妥協した仕事をしないためにSIerとエンドユーザーが同じスタンスで安全や法律の知識をもつ必要があります。システムの提案は技術的な能力が必要ですが、安全については、双方で知っておく必要がありますね。



奥山: 確かにそうですね。ロボットメーカ、SIer、エンドユーザーが三方よしになるよう、ロボットシステムに対する認識をあげる必要があると思います。HCIでは、安全性を重視し、エンドユーザーが南大阪エリア(泉大津市)で、安全教育が受講できるよう、社団法人HCI-RT主催の「産業用ロボットの教示等(検査等)の作業に関する」特別教育を行っています。身近に、そして早く、受講できることがロボットシステムの促進において、重要だと考えています。そして、SIerの共通した目的はロボット・AIシステムの利活用により、各分野の産業を強くすること。これが遅れてしまうと激変する世界の中で、国際競争力から疎外されてしまうかもしれません。SIerとして、ロボット・AIシステムの促進は急務であると考えています。


ロボットを使っての安全特別教育


コメント
FA・ロボットシステムインテグレーター協会。
全く新しい分野で多くの人をまとめていくのは、大変な作業ではありますが、まとまれば大きな発言権も持つことに……。大いに期待されるムーブメントです。それでは次回は具体的な計画をお伝えします。(つづく)
(最終話につづく)