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社長のコラム

奥山浩司(剛旭)社長コラム

by 宮西ナオ子 Presents

奥山: 仕事上での苦労を試練と捉えるならば、どんな人でも何か使命をもって生まれてきていると思うし、それぞれの人に与えられた試練は、それぞれの修行であり、それは乗り越えられるものであり、乗り越えなければならないと考えます。

園山: 乗り越えられるから与えられるわけですね。私も何かある度に、これは何か意味があるのだと考えます。自分に使命があるならば、そこにいくための修行を与えられたのだと考えます。

奥山: そうですね。ひとつの試練を乗り越えられたら、「あ、こうなんだ」と思って、納得いったとき、何とも言えない爽快な気持ちになるのを感じます。そして、ロボットシステムや機械を創る能力を与えていただいたことに素直に感謝し、大きな使命に気が引き締まります。真希絵さんも食や料理というカテゴリーで、人に無いものを与えられたのでしょうね。

園山: 有難いことですね。大切にしたいです。




園山: 使命というのかどうかわかりませんが、料理は私にとって必要不可欠なことです。毎日歯を磨き、お風呂に入るのと同じようなものです。料理をしていない自分はいない。実家に帰っても、友達に会うこともなく、買い物をしては家族の料理を作っています。それが苦でもない。食べ歩きも好きですが、次から次に作りたくなってくる。それは素材からも求められているように思います。

宮西: 例えば、じゃがいもが話しかけてくるとか?

園山: じゃがいもの運命を決めるのは人間です。宿命はジャガイモで生まれてきたけれど、そこから肉じゃがになるのか、フライドポテトになるのか、ジャーマンポテトになるのかを決めるのは人間。となると、私たち作り手は素材の運命を決めているので、すごく重大な役割をしていますね。それに加えお店でお出しするときは、味や食の好みも違うお客様、お一人お一人に合ったものをお出ししようと思っています。




奥山: 「そのやま」のお料理や献立は、一般のレストランとは異なった独創的なもので、コース料理には楽しい名前がついてますね。例えば、お品書きには「朝ごはん、10時のおやつ、お昼ごはん、15時のおやつ、夜ごはん、夜食、食後につい食べたくなるデザート」とか、次に何が出てくるかわくわくしますよ。

園山: 季節ごとに内容が異なる7〜8品程のおまかせコース料理をご提供しています。何が出てくるかは楽しみにしていてください。もちろん事前にお客様の食材に対するアレルギーやベジタリアンなどの嗜好は聞いて反映させていただきます。

奥山: それと出された時の盛り付けも楽しいし、美しい。食材が喜んでいるみたいです。メニューやドリンクなど、色々なところに遊び心が感じられ感動しますね。

園山: 素材選びについては、基本的なこだわりがあります。出身地であり縁結びの国「出雲」を筆頭に、日本各地で厳選された食材を使っています。白米と玄米は、農薬・化学肥料不使用の「そのや米」。島根県の作り手さんの熱意と努力、そして手間暇を惜しまず育てあげていただいたもので、 五つ星お米マイスター山下治男氏による手法で作り上げた『そのやま』オリジナルです。
 小麦粉の代わりに米粉と玄米粉を使ってます。現在、日本の食料自給率は38%(平成29年度/農林水産省)ですが、その落ち込みを解消するには、国産品を食べること。そのため米粉の利用は日本の自給率向上にも繋がると思われます。それに小麦に含まれるグルテンを日々の食事から抜くと、 消化器系の働きが改善されるといわれます。体質によって、効果は個人差がありますが、 寝つきの改善や、消化吸収力のアップなど、体質そのものを改善できる可能性もありますよ。小麦粉と白砂糖はお料理にもデザートにも使用していません。




奥山: 調味料もこだわっているんですね。

園山: 醤油は、原則として2年以上化学肥料・農薬の使用を禁止し、 有機肥料などによる土作りを行った畑で生産された国内産有機大豆を木桶仕込蔵で 1年以上天然醸造させた「木桶醤油」を使っています。またお塩は、68年に一度しか作れない開運の「満月塩」です。本当によいものとは、採取された環境や時期など目に見えない部分も含めて考える必要があります。

奥山: 料理が運ばれてくると産地を含めて丁寧に説明してくれるのは、そのためですね。

園山: 目に見えない部分ですが、その食材までもいとおしんでいただければ幸いと思っています。それと素材のよさや栄養を生かすには、作り手の感謝の気持ちも必要ではないかと思い、食材とお客様双方に感謝を込めて作っています。



奥山: 成る程、作るときに魂を込めるというのでしょうか。それは非常に大切だと考えています。

園山: 奥山社長がロボットを創るときにも同じように感じられますか?

奥山: 全く同じです。実はロボットを創るときも魂を込めることが大切なんです。ロボットは無機物だと思われるかもしれませんが、製作者の気持ちで左右される部分があります。というのも魂がこもっていないロボットはすぐに壊れるからです。多くの機械も同じ現象が起きますが、ここでいう「魂」とは作り手が製作しているときに抱いている感情というようなものです。例えばロボットを創る時、丁寧に作ったり、使う人の身になって作ったりすると本当に良いロボットができますが、安易に仕事として捉え、流れ作業的に作っていたら、決して良いものができずにクレームの対照になったりする可能性もありますからね。(第2話終了)

コメント
心を込めてものを作る。お二人は「魂を込める」と表現していましたが、まさに、この部分こそが、ものに命を吹き込む大切なエッセンスではないでしょうか? 大切に扱う、愛を込める、人々が喜んでくれるように願う、そんな気持ちが込められているものは、おのずから人を幸せにするようなオーラを醸し出します。第3話ではいよいよ料理とロボットについて、話が続きます。お楽しみに。(第3話に続く)