新たな「夢」をカタチにする技術創造メーカー 株式会社HCI

社長のコラム

奥山剛旭社長コラム

by 宮西ナオ子 Presents

宮西: ヴイストンではロボット関連の事業で、目覚ましい活躍をされるわけですね。

大和: 2004~2008年まで、ロボットのサッカーW杯「ロボカップ」に「チームOSAKA(オオサカ)」の監督として出場し、5連覇しました。ロボカップは自立型のロボットですから競技が始まると、人間は応援をするだけなんです。不思議なことに、なんでそのような行動をするのか、プログラムを書いている人間にもわからない状況が起こります。途中で骨折をしたりすることもあれば、とてつもなく進化する瞬間もあります。私は監督の立場ですから、要望をいうだけですが、すごいプレイをするので、「どうしてあんなにすごいことができたの?」と聞くと、「大和さんがいったじゃないですか?」といわれたりしました。あの頃は、ものが変わっていく瞬間が時系列で見えていく、びっくりする瞬間が多々ありましたね。

奥山: 大阪市長より特別表彰も受けていらっしゃいますよね、素晴らしい功績です。




宮西: 奥山社長、HCIではいかがですか?

奥山: HCIは産業用ロボットシステムを構築するロボットシステムインテグレータとして、生産年齢人口が減少しているこの日本で、人手不足問題を解消するためにロボットシステムの導入を支援しています。産業用ロボットはマニピュレータと呼ばれる人間の腕・手首・手を駆使し、仕事を成すわけですが、腕・手首・手だけでは、できることが限られる。そこで必要なのは人間のように働くための頭脳や足だと考えています。特に頭脳であるAIについては、ネット環境が整いビッグデータも得やすい状況なので、これを利用しないという選択肢はない。ロボットシステムインテグレータは中小企業がほとんどであるため、ロボットシステムとAIシステムのどちらも手掛けるのは資金的にもマンパワー的にも非常に大変ですが、HCIでは敢えて取り組んできました。また、川崎重工業さんでは、ヒト型ロボットのプラットフォームを5年後に販売したいと考えられており、自分達はそのヒト型ロボットのプラットフォームに自社で開発したAIやアームなどを構築し、製造現場や災害現場、もしくは介護の現場で貢献できるのではないかとワクワクしています。




大和: 我々は以前からヒト型ロボットや2足歩行のロボットなどを開発していますが、このようなロボットを創るのは、単純なビジネスではありません。モーターの性能をあげるとかネットワークを拡大するということではなく、すごい痩我慢的な発想かもしれませんが、「役にたたないロボットを作る」ことなんです。これは工業製品の考え方とは反していますから「そんなロボットを作っても仕方ない」という考え方があり、「ヒト型ロボットを作っても何の役にたつ?」とよくいわれます。しかし我々は10数年も開発していますから、存在意義がわかっているし、必要としている人がいることもわかっています。びっくりする瞬間が多々ありましたね。

奥山: 確かにその通りですね。

大和: 今は大企業もこのような取り組みをしていますから、時代が変わったと思います。




宮西: 会話をするロボットの声や言語はどのようにプログラミングするのですか?

大和: 例えばSotaの場合、音声を認識して結果を予め準備し、あるシナリオで対応する場合と、シナリオにない問いかけの場合には対話AIが返答案を決める場合があります。またロボットにはあらかじめキャラクターの世界観の設定もしてあります。人間でいう性格のようなものです。その一つに「怒らない」というのがあります。

宮西: 怒らないなんて、いいですね。何ワードくらい入っているのですか?

大和: シナリオ対話は数千程度、対話AIは4万対話を学習して返答案をひねり出します。ただ、現状では訳がわからないことも多く(笑)まだまだ、話を楽しむというレベルまではいっていないですね。



奥山: 常に進化しているヒト型ロボットについて大和社長の考える無限の可能性をもつヒト型ロボットとはどんなロボットですか?

大和: 人間の可能性が無限である以上、ロボットの可能性も無限だと思いますし、技術にも無限の広がりがあります。その可能性を100と定義したらまだまだ1にもいっていない。そういう意味でも道のりは無限で、やらなくてはならないことが無限にあるし、その先にあるのも無限で、使い方もたくさんあると思います。
 そこでまず、「ロボットはどのようにあるべきか」と考えることが大事だと思います。それが普通の技術開発とは異なる部分ではないでしょうか。単なる技術ではない。「人間とは何か」を深く追及する必要があり、突き進めていきたいし、そのような探索は実に楽しい仕事です。




宮西: 哲学的ですね。ロボットを開発する中で大和社長自身が変わったことはありますか?

大和: 私はロボットの開発をする過程で、多くの人と話すようになり、人との触れ合いを大切にするようになりました。というのも、そもそも人と人の関係が作れない人間にロボットと人との関係を築けるわけがないと感じたからです。そう考えると少しはましな人間になったと思いますよ。もともとチョー人見知りで人と話すのも嫌いでしたから(笑)

奥山: えっ! まさか。今の大和社長から想像できませんね(笑)


大和: それはロボットが変えてくれたんです。ロボットに助けられているので、価値がわかります。講演に呼ばれるとき、よくわかるのですが、私にきてほしいのか、ロボットにきてほしいのか(笑)。私が話していると、みんな眠っていく。そこでロボットを出すとみなさん目を覚まし、目が輝きます(笑)私はロボットにくわせてもらっている。営業もしなくて仕事が入ってくるのは、ロボットのおかげです。今の私にはなくてはならない存在ですが、それは今後、多くの人にも何らかの形で同じような存在になると思います。(第2話終了)


コメント
大和社長の手掛けるヒト型ロボットと奥山社長の手掛ける産業用ロボット。それぞれ違うアプローチでも、これから多くの人の役にたっていくことは確かです。将来的には、これらのすぐれた機能が合体し、より素晴らしいロボットが誕生するのではないでしょうか。そんな日の実現が待ち遠しくなりました。第3話では経営者としてロボット産業をどのように考えるのかを聞いてみました。(第3話に続く)