新たな「夢」をカタチにする技術創造メーカー 株式会社HCI

社長のコラム

奥山剛旭社長コラム

by 宮西ナオ子 Presents

宮西: ロボットを扱うお二人に、社会に対するミッションなどを教えていただけますか?

大和: 私は人とロボットが共存する社会を実現したいと思っています。ロボットは機械ですが、人がロボットと暮らしてもいいなと思ってもらうような要素を今後も開発していきたいですね。

奥山: 自分は産業用ロボットというカテゴリーで話をすると、すでに人手不足で困っている企業が非常に多い中、その人手不足の現場を産業用ロボットシステムで解消し、日本のGDPを維持することで日本を救いたい、それは、世界においても同様であり、自分に課せられたミッションだと捉えています。

大和: 奥山社長は非常に真面目なアプローチですが、私は非常に不真面目なアプローチですね(笑)。今は、がむしゃらに働く時代ではないので、ある意味では今までとは異なる価値観で世の中によいインパクトを与えられたらよいと思っています。




宮西: 元号も令和となり、時流も大きく変わり、人々の意識や考え方も大変革していますね。

大和: 弊社は一人一人がやりたいことを見出していくような会社であり、今後もそんな社風を続けたいと思います。きちんとわかってくれる人と商売ができればよいと思っていますし、ロボットと向き合って関係性を作っている人はすでにいて、そういう人たちには一定以上の理解があります。かなりマニアックでマイノリティかもしれませんが、コアに理解してくれる人がいるならビジネスはできると思います。ただ、私の感覚では今はマイノリティでも、いずれメジャーになる可能性があります。これが100億のビジネスになったらその体制をとらなくてはなりません。しかしそれが幸せかどうかと考えると……。大企業との競争を前提で開発を進めるのは熾烈ではないですか? 競争が激化して泥沼状態になる可能性もあります。私はそんな環境では仕事をしたくないし、自分がしたくないことを社員にさせたくないので、会社を大きくしようと単純に大きな市場、イコール目指すべき市場とは考えていません。

奥山: 大和社長が社員をとても大切にされていることがよくわかります。




大和: 儲かる、儲からないは別として自分としてはやりたくないことを社員にさせるのはどうだろうと思うのです。もちろん、奥山社長のように世の中の貢献のためにという覚悟と確信、そして技術があり、その志を同じくする社員と分かち合って仕事をすることは素晴らしいことだと思います。

奥山: 弊社は産業用ロボットシステムをエンジニアリングする際のプロセスを標準化しており、お客様にご迷惑をおかけしないよう、そして弊社社員も安心して仕事ができるように、STEPを踏んでの要素技術検証を行っており、確実なシステムづくりを心掛けています。従って、完成したロボットシステム導入までの時間軸は1年以上を要しており、「3ヵ月でシステムを作ってほしい」などと求められても弊社では対応していません。それは大和社長のお考えに通ずるもので、自分もやりたくないことを社員にさせるのは違うと思っており、そういう意味では社員を最大限に守っています。




大和: 奥山社長は非常に難しいことをしている。私は絶対にやらないし、できないことです。しかも奥山社長の技術はめちゃくちゃ強い。ほかの人なら手を付けない。付けられない。逆に言えば、それをできる技術があるのなら、もっと簡単に実用化できるものがあるわけですが、奥山社長は安易なことをしないというお考えなのではないでしょうか。

奥山: 産業用ロボットシステムを構築するにあたって、自分はロボットシステムインテグレータ各社が「強み」をもつべきだと思っています。そして、その「強み」がオンリーワン技術になっていくのだと思います。

大和: 難しくて厳しくて普通の人は手を付けられない。それをやり遂げていくことは、実は非常に強いビジネスだと思います。弊社ももとはハードの開発でしたから社員は器用です。それは弊社の文化でもあります。開発する人間が、ある機械をほしいとなると、自分でその機械を作ってしまいます。私が「必要ならば機械を買えば?」というと、社員のほうから、「僕、作りますよ」という。他社で作ってもらう見積もりをみたら自社で作ったほうが良いというんですね。

奥山: それは凄い!ものづくりに対する思いがよくわかります。高度な技術力を有している人が集まられているんですね。




宮西: そのような優秀な人のリクルートはどうされているのですか?

大和: 弊社はリクルートをしていません。例えば2020年の新卒採用が始まれば、皆さんはいきなりホームページに採用案内を書きますね。うちは、皆さんが採用を始めるときに、「採用は終わりました」という内容をアップデイトします。

宮西: 驚きです。なぜ、そうされるんですか?

大和: 今は就職のためのスキルが高い人が多いので、我々は本質的なところを見抜けない。その人の本質がわからないからです。もうひとつは、就職するための就職活動をする人も多くなっているので、一般の採用試験では、それが見抜けない。ところが「募集が終わりました」と言っても、それを超えて面接したいとやってくる人は、よほどロボットやものづくりが好きな人です。だから「採用が終わっていても、1回話だけでも聞いてくれませんか」といって来る人と面接をし、採用することが多いですし、そういう人が継続的に続いている人なんですね。



奥山: 営業はどうされていますか?

大和: 弊社には営業はいません。私も営業しません。異業種交流会に行っても、「ロボットのことは絶対に問い合わせしないでください」といっています(笑)。市場側の期待値に対して、現状で対応可能なレベルが技術・コスト的にマッチしないので、要望をお聞きしても仕事として成約する可能性が極めて低いのでそもそも営業をする必要がありません。こうしたこともあって異業種交流会にはいきたくなかったのですが、最近はマーケティング会社の仕事も手伝っているのでそちらの名刺を渡すようにしています。新しい手法のマーケティングを提案する会社で、業種に限らず興味を持ってもらえるし、実際に仕事として成立する可能性も高いのでこちらをメインにしてとにかくロボットの話にならないようにしています。細かい話に進展しそうな場合には、そちらの会社の専門の営業につなげばあとはちゃんと対応してくれるので、すごく助かっています。

宮西: とはいえ、既に御社は創業以来19年が経過し、来年20周年ですよね。

大和: そうなんですが、実は、弊社の場合は野放しにしていると回っていく会社なんですね(笑)。(第3話終了)

コメント
「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」意味が込められているという令和。「一人一人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいという願いを込めて令和に決定した」と安倍首相の談話の中で伝えられたように、新しい時代になると、働き方も異なってくるのではないでしょうか。そしてロボットの力がより大きな助けとなってくるようです。 次回はいよいよ最終回。素晴らしい話はますます盛り上がります。(最終回に続く)