ケーブル・ワイヤー・チューブ・シート製造装置・試験装置メーカー・ロボットシステム・AIシステムのシステムインテグレータ

社長のコラム

奥山剛旭社長コラム

by 宮西ナオ子 Presents

宮西: 現在の髙木さんのお仕事について教えてください。

髙木: 弊社では「産業用ロボットメーカー」から「総合ロボットメーカー」ということでコンセプトを広げています。従来は安全性の面から作業ロボットに人が近づくことはできませんでしたが、弊社では人のそばで動いても危険性のない人協調のロボットを開発しました。このように今までの産業用ロボットとは少し違ったコンセプトをもつロボットとして誕生したのがduAroという革新的な人協調の双腕スカラロボットです。

宮西: さまざまな現場で使えるのですか?

髙木: そうです。今まではロボットを人が並んで作業している現場におくことは難しかったのですが、このロボットならば人がそばにいても大丈夫となりました。また遠隔操作も可能にしました。2017年に弊社が発表した「サクセサー(継承者)」は、ロボットを遠隔操縦しながら作業することで人間とロボットとの協調を可能にしたり、熟練作業者の技能伝承などを可能にすることができるシステムです。



宮西: 医療関係の開発も進んでいるのですね。

髙木: 弊社はもともと産業用ロボットメーカーとして発展してきましたが、トップが医療に興味を持ち、2013年に医療業界に足を踏み入れました。
2020年にリリースした「ヒノトリ」は手術支援用のロボットです。このネーミングは弊社の社長が『鉄腕アトム』世代の人ですが、アトムといえば手塚治虫さんですね。手塚治虫さんといえば、『火の鳥』。そこで手塚治虫プロダクションに連絡をし、『火の鳥』の名前の使用許可を得ました。先方でも快諾してくださり、製品発表会のために火の鳥が飛んでいるようなオリジナルのアニメーションまで作ってくださったんですよ。
2015年くらいから労働人口の減少の解決策を出すのはロボットしかないだろうということで、新しい提案をする運びとなりました。そうなりますとサービス業や病院にもふさわしいロボットを開発していかねばなりません。どこでも動き回れて、人間のように手があるようなロボットを開発したのが「ニョッキ」です。


©Tezuka Productions


Nyokkey(提供:藤田医科大学)


奥山: 現在では医療ロボットにもいろいろなところが参入されていますが、苦戦していますか? それとも順調ですか?


髙木: 苦戦といえば苦戦、順調といえば順調です。将来的に見たときに、日本市場は意外と小さいのです。やはりアメリカ市場を狙いたいですが、米国ではすでに手術用ロボットのダヴィンチが主戦場になっていますので、そこに乗り込んでいくのは時間がかかります。今すぐには太刀打ちできませんが、自信があるので、しっかり実力をつけていきたいと思っています。

宮西: 高度な手術なども在宅でできるのですか?

髙木: すでに数百キロ先から手術をするテストをしています。海外からもできるようになりますし、もし手術をする際に難しい箇所が2か所あれば、二人のドクターが手術をすることもできるわけです。




宮西: 新会社リモートロボティクス株式会社について教えてください。

髙木: 遠隔操縦の技術を普及させるために弊社とソニーグループが設立したリモートロボットプラットフォーム事業を行う新会社です。工場の中で作業するときに遠隔で行うことができれば危険な作業もロボットにさせることができます。これを広めていくと、技術者でなくても作業ができます。
例えば働きに行けない人、障がいのある人、引きこもりの人、高齢者などにも在宅で作業をお願いすることができると思います。このように仕事を求めている人と、働き手がほしい工場側とをうまくマッチングして仕事ができれば両者ともウィンウィンの関係になります。その間をとりもつサービスプラットフォームを創るための会社がこのリモートロボティクスの構想です。



宮西: それでは次に奥山社長、コロナ禍ではありますが、現在のお仕事を教えてください。

奥山: 現在、世界的にコロナ禍で大変ですが、弊社は、受注ベース、売上ベース共に過去最高です。とはいえ残念ながら半導体不足で電装品が入荷できず、原材料不足により様々な部品も入荷できず、システム製作が思うように進みません。ひとつのパイを多くの会社でほしがっているわけですから、パワーで勝ち取るしかないです(笑)。しかし、このような状況一つを見ても、改めてロボットシステムの需要が急速に高まっていることが実感できます。
 また、最近、本社を移転しましたが、その本社2階には、いつも頑張ってくれている社員が、美味しいと感じ、身体に良い食事ができるようにと前々から計画していた社食を2階につくり、自分達がロボットシステムインテグレータであることから、ロボットが調理し、ロボットが配膳し、予約・オーダーシステムから決済システムまでを手掛け、展示場であり、一般の方にも来ていただけるロボカフェでもある、そんなロボカフェ【HCI ROBO HOUSE】を製作しました。
 そして、3年前に出会い、このコラム対談にも登場していただいたタレントであり、料理研究家の園山真希絵さんにメニューを考案していただきました。

宮西: それは素晴らしいアイディアですね。




奥山: しかし、そのロボカフェを現実的にオープンするきっかけとなったのは、髙木さんとの会食での会話になります。というのも配膳するロボットをHCIが代理店となっている中国製のロボットを使いたく、その旨を髙木さんにお伝えしたら、髙木さんは太っ腹で「いいですよ」と了承してくださいました。とても有難かったですね。というのもロボット間を繋ぐための通信で問題が起こる可能性を案じていて、そのときは調理ロボットシステムとして採用させていただくロボットメーカーである川崎重工業さんの協力も必要不可欠だと考えていたので、「協力する」と仰っていただいたので「是非、やりましょう」と即決となりました。そして、今、ロボカフェは着々と準備が進み、内覧会であるプレオープンは2月に開催しました。

宮西: 本格的なオープンはいつですか?

奥山: コロナの影響もあり状況をみながらですが、4月8日(金)を予定しており、HCIでまず、社食を運用し、実証検証ができた後のグランドオープンとなります。

髙木: 楽しみにしています。



奥山: これから先、飲食業界でも人手不足問題により、ロボットやAIは必ず必要となります。
ロボカフェは飲食業を成立させるための選択肢の一つだと考えてます。

髙木: どこに売りたいですか?

奥山: 勿論、日本人なので日本の皆様に販売したいところですが、案外、シンガポールやアラブ、中国など海外の富裕層が、海外から関西空港に到着し、そのままJRで和泉府中駅までお越しいただき、徒歩6分程度の場所にあるHCIのロボカフェへご来店いただき体感することで、「これは面白い!」「うちの家(会社)で使おう!」ということになったら面白いと思っています。

宮西: 海外のお金持ちがメイドさんの代わりにロボットを使うというわけですね(笑)

奥山: 双椀の新型ロボットである「ニョッキ」にも期待しており、今後、ロボカフェ【HCI ROBO HOUSE】への導入も検討させていただく予定です。

宮西: このような試みは、多くのメディアで益々紹介されていくでしょうね。今、世の中的には暗いニュースも多く、低迷しているようですが、ロボット産業は未来が明るいようですね。

奥山: その通りで、川崎重工業さんは「総合ロボットメーカー」を提唱され、工場で働く生産設備だけでは無く、様々な業界で使われることを考えておられますが、同じくHCIでもサービス業他業界の垣根無く、国内外で、ロボット導入を促進したいと考えています。

宮西: 世界からも注目されているのがわかります。

コメント
「総合ロボットメーカー」という大きなヴィジョンの下、データベースを基にした新しい試みに意欲的な高木さんと、受注が多いにもかかわらず、原料がおいつかず、コロナ禍によって、なかなか進展できないとはいえ、着実にロボットカフェの開店に向かって進んでいる奥山社長。時代の波に乗ったお二人の未来は明るいと推察されます。次号はいよいよ最終回、これからのヴィジョンや夢についてお話をしていただきます。(最終話に続く)